JDA-MLとかは一番使わないYahoo!のアドレスで受けてるわけだが、
数ヶ月ぶりに受信箱を見てそういえば次の論題が決まっているのを思い出した。
The Japanese government should authorize the system of casino gambling.
ですか。
意味不明すぎる。systemなんていうmagic wordで逃げやがった。
素の自分には理解不能だったので"the system of casino gambling"で
ぐぐってやふってみた。
見つかった用例は実質的にたった2件。ミシガン州法(Michigan Gaming Control & Revenue Act)とロードアイランド州法(AN ACT RELATING TO SPORTS, RACING, AND ATHLETICS -- ESTABLISHMENT AND EXTENSION OF GAMBLING ACTIVITIES AND OTHER FACILITIES)
のみ。でもまあ出てきたのが法律の条文っていうカタい文でよかった。
しかも2件とも"the system of casino gambling"というフレーズの使い方はまったく同じだった。
Gaming Control Board(あえて訳すなら賭博統制委員会か)という組織の役割を規定する条文。
The board shall have the powers and duties specified in this act and all other powers necessary and proper to fully and effectively execute and administer this act for the purpose of licensing, regulating, and enforcing the system of casino gambling established under this act.
The board shall have the powers and duties specified within this chapter and all other powers necessary and proper to fully and effectively execute and administer the provisions of this chapter for the purpose of licensing, regulating, and enforcing the system of casino gambling.
上がミシガン、下がロードアイランド。
特に今回見たい箇所についてはまったく同じで、
for the purpose of licensing, regulating, and enforcing the system of casino gambling
要するに今回"the system of casino gambling"というフレーズの用例は州法のこの条文しかないわけである。たった1件だけど貴重。
さてこの条文のsystemの部分はどういう意味に解釈すればいいんだろうか。
辞書にある訳はせいぜい「制度」とか「体系」とかしかない。
しかし「制度」を許諾する(license)、規制する(regulate)、施行する?(enforce)と言われてもしっくりこない。
意味を補完するなら「カジノ(業者)が用意したギャンブルの制度」ぐらいになると思う。
これを日本の法律的な言葉にすると、「業務」とか、風営法に倣って「営業」とかになるんじゃないかというのが私の考え。
この部分は私の推測で何もエビデンスがないから辛いんだけど。
さてこれで元のresolutionがちょっと理解しやすくなった。
The Japanese government should authorize (カジノ賭博の営業).
ここで、
ワーディング会議議事録にちょっと反論しようと思う。
>現状で日本政府は法により「賭博行為」と「賭博場の創設と運営行為」の両方を禁じており、
>「topical actionのみでカジノ行為が行われるようにするためには
>その両方を示す目的語でなくてはならない」といった意見が占めました。
>(中略)
>”system”には”the group of things that work together for”や
>”an organized set of a particular way of”といった内容のdefinitionがあり、
>これを採用すれば「賭博行為」を可能とする行為一覧が対象となるので問題ないといった意見が占めました。
相変わらずdefinition中心な解釈しかできないんだよね。
systemなんて抽象的な言葉は辞書だって曖昧にしか書きようがないのを濫用して曖昧にして全部ひっくるめてtopical、みたいなノリでしか解釈しない。
Nativeがどんなニュアンスで使ってるかまったく考えてない。
私の考察を読めばどうやらnativeの使う"system"には、「賭博行為」を可能とする行為全般、なんて意味はおよそ込めようがないことはわかると思う。
そんな用例はない。
あえて誤用の起きやすい"system"なんてvague wordに頼っちゃうあたりがNAFAは馬鹿だと思う。
それじゃあカジノでの賭博行為は合法にならないのかと言うと、そうでもないと思う。
競馬の類がなぜ合法な賭博なのかを考えればいい。
競馬法が刑法に対して特別法になるからである。
つまり国の定めた競馬という制度の中でなら賭博であっても刑法に抵触しないというのが(明文化されてないけど)ルールだから合法なのである。
まあ、カジノでの賭博は合法とする、とplanに書くかどうかは趣味によると思う。
extra topicalだとは思うが、そういうことは隠して(NEGにつつかれるまで)planに混ぜておいても誰も気づかれないとは思う。
つっつかれたらextra topicalを認めてsolvencyに切り替えればいいや、みたいな。
特別法だから一般法である刑法には抵触しないよ、みたいなevidenceを持っておく。
ここでうかつに賭博行為全般を合法化する、とかやるとそれはそれでえらいDAがつきそう。
アホなAFFのためにDAを作っておくのもいいかもしれません。
さてresolutionに話を戻します。
カジノ賭博の営業をauthorizeする、らしい。
(ちなみにauthorizeはlicenseのsynonymって書いてる辞書もあったよ。)
どう考えてもカジノの免許(営業許可)制度としか理解できません。
ってことで今回は競馬法と風営法に倣った感じでplanを作るのがいいんだと思います。
・カジノは許可制。(任意の業者を許可するか、地方自治体に限定するかは自由。)
・許可される賭博内容を決める。(テーブルゲームに限定するとか。)
・悪質な(DAの出るような)カジノには免許を剥奪できる系のspikeをいっぱい放り込む。
・カジノでの賭博は違法と見なしません。(N-Tだけど入れとく)
・売り上げの○%は税金でもらってきますよ、みたいにしてもいいかもしれない。
ベタなplanって今回こんな感じになると思うんですがどうでしょう。
プロポの繰り返しとネセアジャだけのplanとか見たくない。
このへんの考察をそのまんまtopicalityで使ってくれる人がいたら感涙にむせびます。
つーかこのブログ、読まれてるんだろうか。
さてここからNAFAのプロポ策定を貶します。
今回は"system"ってwordingは完璧に的外れだと思う。
競馬法のカジノ版みたいな法律を作ればカジノ合法化にはなるはずで、本来刑法に手を付ける必要はありません。
そこで日和ってほしくなかった。
また、競馬法とか風営法を見れば、ギャンブル的なものを運営する側の条件を作ることが法律の役割と言っても過言ではないことがわかるはずです。
そうすれば「カジノを合法化する」をもう少しブレイクダウンして「カジノの営業を許可する制度を作る」というところまで落とし込む必要があったでしょう。
establish a scheme to authorize the casino gaming business.
みたいにもうちょっと意味のわかりやすいプロポになったんじゃないかと。